28歳フリーターから契約社員になって、
最低限の生活は、なんとか回るようになっていました。
毎月の給料は18万円。
年収にすると、200万円に届くかどうか。
贅沢はできないけれど、
食べて、住んで、働いて、また翌日を迎える。
それだけなら、できていました。
でも、ふと立ち止まる瞬間が増えてきました。
「このまま、何年働くんだろう」
「自分は、何のためにここにいるんだろう」
前回の記事では、
仕事は“自己実現”ではなく、
何もない自分に「1」を積み重ねる場所だった、
という話を書きました。
今回は、その少し先のフェーズの話です。
最低限の生活が整ったあと、
仕事に対する向き合い方が、
少しずつ変わっていった時期のことです。
目 次
年収200万円台では、未来を描けなかった
正直に言うと、
この収入で結婚できるとは思っていませんでした。
誰かを守るとか、
家庭を持つとか、
そんなことを考える余裕はありません。
まず、自分が生きていくので精一杯。
「一人で生きていくなら、まあ、何とかなる」
その程度のライン。
夢も、野心も、
声高に語れるものはありませんでした。
でも同時に、
「このままでいいのか」という感情だけは、
静かに残り続けていました。
仕事に対する見方が、少し変わり始めた
最初の頃の仕事は、
とにかく“続けること”が目的でした。
遅刻しない。
与えられたことをやる。
ミスを減らす。
それだけで、
一日が終わっていく。
でも、生活が安定してくると、
別の問いが頭に浮かび始めます。
「自分は、この仕事を通して
どう生きたいんだろう」
答えは、ありませんでした。
やりたいことが見つかったわけでもない。
情熱を注げる何かがあったわけでもない。
ただ、
「このまま、何も考えずに年を重ねるのは違う気がする」
そんな、輪郭のぼやけた違和感だけがありました。
仕事を“自己実現”の場だとは思えなかった
世の中には、
仕事を通じて自己実現をする人もいます。
やりたいことを仕事にして、
自分らしく働いている人もいる。
でも当時の私は、
そこまで前向きになれませんでした。
この仕事で、
自分を表現できている気もしない。
かといって、
完全に割り切れるほど、
無関心にもなれない。
「好きでもないけど、嫌いとも言い切れない」
そんな、宙ぶらりんな感情。
仕事に意味を見出したいのか、
それとも、意味なんてなくていいのか。
自分でも、よく分かっていませんでした。
“答えがない時間”を過ごしていた
今振り返ると、
あの頃はずっと、考えていた気がします。
・この仕事を続けていいのか
・別の道を探すべきなのか
・自分は何者になりたいのか
でも、
考えれば考えるほど、
はっきりした答えは出ませんでした。
何かを決断できたわけでもない。
大きく環境を変えたわけでもない。
ただ、
仕事に向き合いながら、
自分の感情の揺れを、
そのまま抱えていただけです。
それでも、仕事から降りなかった理由
一つだけ、
当時の自分に言えることがあります。
私は、
仕事から完全に降りる気にはなれなかった。
辞めたいほど嫌ではない。
でも、誇れるほど好きでもない。
それでも、
ここで積み上げたものが、
ゼロになる感覚が怖かった。
前回の記事で書いた「1」を、
ここで手放したくなかったのだと思います。
答えが出なくても、
迷っていても、
仕事という場所に身を置き続ける。
それが、
当時の私にできる、
精一杯の選択でした。
自己実現の“手前”に立っていた
今なら、
あの時期をこう言葉にできます。
自己実現の一歩手前で、
立ち止まっていたフェーズ。
まだ、
「こう生きたい」と言えるほど、
自分が見えていない。
でも、
「何も考えずに働くだけ」
という段階は、
確実に終わっていた。
仕事に意味を与えようとしていたわけでもない。
ただ、
仕事を通して、自分をどう扱うかを、
考え始めていた。
あの時間も、無駄ではなかった
当時は、
正直、しんどかったです。
答えが出ない。
進んでいる実感も薄い。
収入も増えない。
でも今は、
あの時間があったからこそ、
次のフェーズに進めたのだと思っています。
仕事を、
「ただ生活のための手段」から、
「自分の生き方と切り離せない場所」として
考え始めた最初の時期でした。
今、同じ場所にいる人へ
もし今、
最低限の生活はできているけれど、
仕事に意味を見いだせずにいるなら。
それは、
停滞ではなく、
次の問いが生まれている状態かもしれません。
答えがなくてもいい。
言葉にできなくてもいい。
仕事をしながら、
「このままでいいのか」と考えているなら、
あなたはもう、
前のフェーズには戻っていません。
私も、
あの頃は何も分かっていませんでした。
それでも、
仕事から降りずに、
考え続けていました。
私は今も、再起の途中です。
あの頃の自分の延長線上にいます。
一緒に、
答えのない時間も含めて、
前へ進んでいきましょう。
