再起

カウント2.9に込めた意味 ——0.1の希望

うまくいく日なんて、正直ほとんどありません。

28歳までフリーターだった私にとって
再起を誓って行動していても、
思った通りに進まない日、
失敗したと感じる日、
空回りして終わる日のほうが圧倒的に多い。

むしろ、
「今日はうまくいった」と胸を張って言える日のほうが、
よほど少ない。

手探りで生きている以上、
それは当たり前なのだと思います。

それでも私は、
行動だけは止めないようにしています。

気合や根性があるからではありません。
前向きな性格だからでもありません。

この文章では、
「カウント2.9」という言葉に
どんな意味を込めて生きているのかを書いています。

もし今、
「もう無理かもしれない」
「ここまでかもしれない」
そんなところで立ち止まっているなら、
思考を整理するきっかけとして
少しでも役に立てば幸いです。

カウント2.9という数字は決して楽観ではない

カウント2.9とは、
プロレスでフォール負け寸前から、わずかに肩を上げる瞬間のことです。
負けが決まったわけではない、最後の0.1を指します。

この数字は、
決して前向きな状況を表していません。

流れは相手にある。
体力も削られている。
呼吸も乱れている。
次に立てる保証なんて、どこにもない。

観客の多くは、
「もう終わりだ」と思っているかもしれない。
セコンドですら、
最悪の結末を一瞬よぎらせているかもしれない。

そして何より、
本人自身が一番よく分かっている。

「正直、相当きつい」
「ここから逆転する確率は高くない」

それでも、
3カウントはまだ数えられていない。

0.1だけ、
終わっていない。

私は、この0.1から立ち上がるプロレスラーと自分を重ねて、
異様なほど引き寄せられてきました。0.1は、期待ではなく「可能性の残骸」

0.1は希望としては心もとない数字

可能性が50%あるわけではありません。
勝ち筋が見えているわけでもありません。
奇跡が起きる保証なんて、どこにもない。

それでも、
ゼロではない。

私は、この「ゼロじゃない」という状態こそが、
人を立ち上がらせるのだと思っています。

0.1は、
胸を張れる希望ではありません。

「まだ何かできるかもしれない」
「もう一手、打てるかもしれない」
「次のリングには、上がれるかもしれない」

その程度の、
曖昧で、弱くて、
自分でも半信半疑な感覚です。

でも、
完全にゼロになった瞬間とは、
決定的に違う。

「もう3カウント」と言われてもおかしくなかった

私自身、
人生の中で何度も
「これはもう無理かもしれない」
と思う場面がありました。

28歳までフリーター。
就職経験なし。
資格試験も失敗続き。
同年代は正社員で、家庭を持ち、
社会の中で役割を持っていた。

アルバイト先で、
スーツ姿の同年代を見たとき、

ファミレスで独り勉強をしているとに、
同年代の家族連れがご飯を食べているとき、

胸の奥が締めつけられるような感覚がありました。

「同じ年齢なのになんでここまで差がついたんだろう」

正直に言えば、
他人から「もう終わってる」と言われても、
反論できる材料は何もありませんでした。

それでも私は、
自分で3カウントを数えることだけは、しませんでした。

0.1があったから、立ち上がれた

まだ何かできるかもしれない。
まだ一手、打てるかもしれない。
まだ、次のリングには上がれるかもしれない。

その「かもしれない」が、
私にとっての0.1でした。

0.1は、
決意を固めてくれる希望ではありません。

むしろ、
迷いと不安を抱えたままでも
立ち上がらせてしまう力です。

私は、
「必ずうまくいく」と信じて
立ち上がってきたわけではありません。

ただ、
「終わっていない」と思えた。

それだけで、
体が動いてしまった。

勝てるかは分からない。でも終わっていない

勝てるかどうかは分からない。
報われるかどうかも分からない。
また失敗するかもしれない。

それでも、
まだ終わっていない。

プロレスでカウント2.9から肩を上げたレスラーは、
試合を諦めていません。

その姿は、
決して格好いいだけではありません。
プロレスを詳しく知らなくても、この感覚は分かると思います。

必死で、
泥臭くて、
見ていて苦しくなることもある。

私は、
その姿に自分の人生を重ねてきました。

0.1の希望がある限り立ち上がれる

完璧じゃなくていい。
強くなくていい。
勝てなくてもいい。

それでも、
「終わった」と言わない限り、
人生は続けられます。

私にとってカウント2.9とは、
希望を大きく語るための言葉ではありません。

希望が、まだ消えていないことを
自分自身に確認するための言葉です。

今日もうまくいかなくても

今日もうまくいかなくても、
昨日負けていても、
状況が不利でも。

カウントは、まだ2.9。

0.1の希望がある限り、
私は、立ち上がります。

周回遅れでも。
傷だらけでも。

それでも、
私はリングから降りません。

それが、
私が選んだ生き方です。

一緒に、前へ進んでいきましょう。