転職

宅建を持っていても不動産業界を選ばなかった理由

宅建を取ったあと、
私はしばらく迷っていました。

この資格を「使える業界」に行くべきなのか。
それとも、今の自分にとって一番崩れにくい場所を選ぶべきなのか。

28歳までフリーターで、就職経験もなく、
現場のアルバイトから再起を始めた自分にとって、
転職はキャリアアップというより、
再起を終わらせないための判断でした。

年収や肩書ではなく、
再起を続けられるかどうか。
それだけを基準に考えていました。

この記事では、
28歳までフリーターだった私が、
宅建を持ちながら、なぜ不動産業界を選ばなかったのか。
そのとき、どんな順番で考え、
何を優先したのかを整理します。

正解を示す記事ではありません。
転職を勧める記事でもありません。

再起の途中で進路に迷っている人が、
判断を一つ減らす材料を持ち帰ってもらえたら幸いです。


宅建を取ったときに考えていた将来像

最初に正直に書いておくと、
私は不動産業界に興味がありました。

将来は、自分の事業を持ってみたい。
不動産にも、いつか関わってみたい。

簿記1級を持っていて、
そこに宅建も重ねられたら、
不動産業界の経理職という選択肢もある。

当時は、そんな理想像を描いていました。

だから、
不動産業界を選ばなかったのは、
興味がなかったからでも、
宅建が役に立たないと思ったからでもありません。

それでも結果的には、今じゃありませんでした。


簿記1級を、まだ活かし切れていなかった

一番大きかった理由は、ここです。

私は29歳で簿記1級を取りました。
しかしその時点では、
その資格を実務で使い切れているとは言えませんでした。

単体決算だけでなく、
連結や開示、会計士対応まで含めて、
経理として通用する土台を、
先につくりたいと思っていました。

宅建を活かす前に、
簿記1級を「知識」ではなく「経験」に変えきりたい。
そうでなければ、
どの業界に行っても同じだと思っていました。


資格が主役のキャリアにしたくなかった

もう一つ、
意識していたことがあります。

それは、
資格で評価されるキャリアにしたくなかった、
という点です。

宅建が必須の業界では、
どうしても評価軸が
「宅建を持っているかどうか」に寄りやすくなります。

もちろん、それ自体は悪いことではありません。

ただ、当時の私は、
宅建で評価されたいわけではありませんでした。

経理として積み上げた実務で、
評価される場所に行きたかった。

資格はあくまで材料であって、
主役にはしたくなかった。

その優先順位は、
自分の中でははっきりしていました。


再起を一発勝負にしたくなかった

再起の途中にいる人間にとって、
一発勝負は、リスクが高すぎます。

私は、
給与所得で生活を安定させながら、
再起を続けたいと思っていました。

将来、事業をやる。
将来、不動産に関わる。

それは、
再起が崩れない状態を作ってからでも、
遅くはありません。

今はまず、
経理としての基礎体力を伸ばす。
資格を活かせるだけの現場に身を置く。

その順番を、
崩したくありませんでした。


宅建がいらない業界を選んだ理由

結果として、
私は宅建が必須ではない業界を選びました。

業界ではなく、
役割を見ました。

連結や開示、会計士対応、子会社対応など、
簿記の知識を最大限使える役割を見ました。

宅建がなくても、
価値が積み上がっていく場所。

そこで経験を伸ばし切った先に、
別の選択肢が生まれると考えました。


宅建は「使わなかった資格」ではない

今、宅建を実務で使っているかと言えば、
そうではありません。

それでも、
宅建を取ったことを無駄だったとは思っていません。

あの勉強があったからこそ、
将来像を具体的に考えられた。
選ばなかった理由を、
言葉にできた。

宅建は、
進路を決めるための切符ではなく、
判断できる状態になるための材料でした。


まとめ

このブログでは、
転職や資格の正解を書いているわけではありません。

宅建を取ったら不動産業界に行くべき、
資格はすぐに回収すべき、
そういった結論を出したいわけでもありません。

後悔が消えなくても、
不安が残っていても、
再起は続けられます。

私にとって、
宅建を持っていても不動産業界を選ばなかった判断は、
逃げではありませんでした。

今の自分にとって、
何を先に積み上げるべきかを考えた結果です。

大切なのは、
資格をどう使ったかではなく、
その時点で「再起を終わらせない判断」を選べたかどうかです。

それだけで、
再起は続いていきます。

一緒に前へ進んでいきましょう。