この記事では、
実務経験がないまま簿記1級を取得し、
経理として再起を始めた私が、
最初に直面した「期待と現実のズレ」について整理しています。
資格があれば、
もう少しスムーズに仕事ができるようになると思っていました。
でも実際は、
実務の輪郭をつかむだけでも、体感で1年はかかりました。
今、
資格はあるのに仕事がうまくいかない感覚を抱えている人にとって、
状況を整理する材料になれば幸いです。
目 次
未経験から、すぐにできる人は少ない
新卒の人が、
仕事を一人で回せるようになるまでには、
2〜3年かかると言われます。
それは特別な話ではありません。
業務の流れを理解し、
優先順位を判断し、
「これは今やる」「これは後でいい」と切り分けられるようになるまで、
どうしても時間がかかります。
未経験から経理に入るなら、
なおさらです。
今振り返ってみても、
最初からできる人のほうが少数派だった
というのが正直な実感です。
簿記1級が、期待値だけを先に上げてしまう
ただ、私の場合は少し事情が違いました。
実務経験はありませんでしたが、
簿記1級を持っていました。
自分からそれを誇示したつもりはありません。
自慢した記憶もありません。
それでも、
「分かっている前提」
「即戦力だろう」という空気が、
いつの間にか出来上がっていました。
ここで、
期待と現実のズレが生まれます。
学んできたことと、実務は一致しない
簿記1級の勉強で、
会計の仕組みや理論は一通り学びました。
でも、実務はまったく別物でした。
・どの資料を見るのか
・どこまで確認すれば十分なのか
・何を優先して処理すべきなのか
そういった判断は、
テキストには載っていません。
頭では分かっているはずなのに、
手が止まる。
「知っている」と「できる」の間に、
大きな距離があることを、
そこで初めて実感しました。
期待されている分、評価が下がるのも早い
簿記1級を持っていると、
できなかったときの反応も早くなります。
「思ったよりできないな」
「こんなものか」
はっきり言われるわけではなくても、
空気で伝わってくることがありました。
自分としては、
必死に覚えている途中なのに、
「できない人」という評価だけが、
先に固まっていく。
これは、正直かなりきつかったです。
「向いていないのかもしれない」と思ってしまう
この状態が続くと、
頭をよぎる考えがあります。
「自分は経理に向いていないんじゃないか」
実際、
資格はあるのに実務でつまずいて、
経理から離れてしまう人もいると聞きました。
能力の問題というより、
期待と時間のズレに耐えきれなくなる。
今なら、
そういう構造だったのだと思えます。
私は、時間をかけて積み上げるタイプだった
冷静に考えると、
私はもともと
飲み込みが特別早いタイプではありません。
頭の回転が速いわけでもない。
時間をかけて、
少しずつ理解していくタイプです。
経理を始めたのも31歳。
決して早いスタートではありませんでした。
それでも、
1年ほど経った頃から、
ようやく実務の輪郭が見え始めました。
全体の流れがつながり、
「今やっている作業が、どこに影響するのか」
それが分かるようになってきた。
ここに来るまでが、
一番しんどかった時期だったと思います。
簿記1級を持っていても、その当たり前の時間が見えにくくなる
今振り返ると、
簿記1級を持っていても、
実務に必要な当たり前の時間が省略されて見られてしまう
ことがあります。
資格は、
スタートラインを引き上げてくれます。
でも、
実務の時間まで短縮してくれるわけではありません。
そのズレが、
人を一番苦しめるのだと思います。
まとめ
実務経験なしで経理を始めた場合、
実務の輪郭をつかむだけでも、
体感で1年はかかります。
それは、
能力が低いからでも、
向いていないからでもありません。
資格があってつまずくのは、
能力の問題ではなく、
実務に必要な時間が誤って省略されてしまう構造があるからです。
もし今、
「資格があるのにうまくいかない」
と感じているなら、
それはあなた自身の問題ではないかもしれません。
私もまだ、再起の途中です。
一緒に前に進んでいきましょう。
