資格

社会人未経験でも“資格に逃げず”実務を選んだ理由

資格を取れば道が開ける。
20代の私は、ずっとそう信じていました。

しかし本音では、資格の勉強に没頭している自分に安心していただけで、
実務に踏み出すのが怖かったのだと思います。

28歳フリーター、社会人経験も実務経験もゼロ。
そんな私がどうやって“資格の殻”を破り、実務へ進めたのかを書きます。

資格は努力の象徴ではなく、私にとって「殻」だった

当時の私は、毎日予備校に通って自習していました。
静かで、誰にも邪魔されず、机に向かっている自分に安心できる場所でした。

けれど今振り返ると、あの時間は
現実から目をそらしていた時間 でした。

参考書を積み上げて「まだ可能性がある」と思い込んだり、
途中で疲れて漫画喫茶に逃げたり、
“勉強している自分”を保つために机に向かっていた日もありました。

資格勉強は努力です。
しかし、あの頃の私は、資格を
働かなくてもいい理由に変えていたのだと思います。

ようやく気づいた資格の限界と自分の未熟さ

契約社員として働き始めた頃、
総務部長との面談で言われた言葉があります。

「資格は実務がなければ意味がないよ」

その瞬間、胸の奥がズキッと痛み、
自分の努力を否定されたような気がしました。

「簿記2級どまりの人が言う強がりでは?」
そんな反発も正直ありました。

しかし、31歳で経理として本社に異動し、実務に触れて気づきました。
あの言葉は“本質”でした。

・口座振替と総合振込の違いすら分からない
・三菱東京銀行とUFJが統合されたことすら知らなかった
・請求書の処理フローが理解できない
・報連相が遅く、周りに迷惑をかけてしまう

資格があっても、現場では何もできない自分がいました。

半年から一年は「使いものにならない」と痛感し、
社会人としての基礎すら欠けていたのだと理解しました。

独学ゆえに、自分よがりの解釈が多かったことも反省しました。
それでも私は、環境を与えてもらったことに感謝しながら、
できないことと向き合い続けました。

資格は逃げ場ではなく、実務に進むための“覚悟の材料”

私の人生が動き始めたのは、
資格を“取った”時ではありません。

資格を実務に使い始めた瞬間でした。

簿記1級を取ったことでフリーターから抜け出し、
31歳で経理としてスタートできました。

実務に入ると、資格の知識が“土台”として役に立ちました。
最初はできなくても、失敗しながら学ぶことで、
少しずつ仕事が分かるようになりました。

そして私は、37歳で上場企業の経理(連結)に転職しました。

これは特別な才能ではありません。
資格を逃げ場ではなく、前に進む材料に変えたことが大きかったと思います。

今でも報連相に苦戦することや、外敵扱いを受ける場面はあります。
それでも、資格勉強で鍛えた継続力は、実務のつらさを乗り越える支えになりました。

資格は紙切れではありません。
しかし、取っただけでは人生は動きません。

資格は、
実務へ踏み出すスタートラインだと、今ならはっきり思います。

遠回りばかりの私でもここまで来られました。
あなたも、必ず大丈夫です。

一緒に前へ進んでいきましょう。