転職

経理の役割と、私が意識してきた“期待値+1”の働き方

経理の仕事は「記帳をするだけ」と思われがちです。
しかし私は、転職して上場企業の経理になり、改めて気づきました。
経理は“数字を作るだけ”では終わらない仕事だということを。

私は28歳までフリーターで、経理としてのスタートは人よりも10年遅れました。
だからこそ、仕事に向き合う姿勢は誰よりも強く持っていたつもりです。
社会人としての経験も浅く、実務力もない。
そんな自分が評価されるためには、
「期待値+1」の働き方が必要だと心から思っていました。

この記事では、私が経理として大切にしている考え方と、
“期待値+1”を積み重ねてきたプロセスをまとめます。


経理として求められる役割は「正確に作る」だけではない

経理として最初に求められる最低ラインは、とてもシンプルです。

  • 正確に仕訳を切る

  • 締めを遅らせない

  • ミスをしない

  • 基本的な業務を安定して回す

この「最低ライン」を外すと、どれだけ熱心でも評価につながりません。
逆に、ここを確実に満たせれば、経理として大きな問題は起きません。

私も経理経験が浅いころは、この最低ラインを守ることだけで必死でした。
とにかくミスをしない。
締めに遅れない。
資料は見やすく作る。
この積み重ねは、今でも仕事の基盤になっています。

ただ——ここで止まると成長は止まる。
私はそれに早く気づきました。

なぜなら、経営者は「正しい数字」だけを求めているわけではないからです。


“期待値+1”を積み重ねて評価される経理になるまで

私は、転職より前の会社でも、そして今の上場企業でも、
ずっと意識していることがあります。

それは、
「会社が本当に知りたいこと」に1歩踏み込むこと
です。

具体的には、こんな行動です。

  • なぜ数字が動いたのか、背景を説明できるようにする

  • 説明の順番を工夫し、相手の理解が進むように整理する

  • 売上やコストの予測を現場とすり合わせる

  • 現場にも足を運び、“数字の裏側”にある実態を確認する

  • 単なる数値報告ではなく、意思決定に役立つ情報を添える

特に大きかった気づきがひとつあります。

▼数字だけでは、判断材料として不十分

数字は正しいだけでは意味を持ちません。

数字の裏には必ず、

  • 人の動き

  • 現場の状況

  • 顧客の変化

  • 取引先の事情
    が存在します。

私は現場で働いた経験が長かったので、
数字だけを見て経理を完結させることに違和感がありました。

お客さんの顔も、そこで働く人の姿も、数字だけでは見えない。
現場の“実感”を知らずに数字を語るのは違う。

そう思ったのが、今の私の強みに繋がっています。

実際、上場企業に転職して4ヶ月ですが、
「現場を見てきた経理」として、意図や背景を説明できる点を評価されています。


数字だけでは不十分。経理が“現場に目を向ける理由”

私は転職してすぐ、工場の見学をお願いしました。
新参者の私が、いきなりそんなことを言うのは少し勇気が要りましたが、
どうしても必要だと思ったのです。

現場の空気、従業員の動き、物の流れ。
これらは財務諸表に載らない“数字の裏側”です。

同じ経理でも、
机の上だけで仕事を終える人と、現場に踏み込む人では見えている景色が違うと感じます。

現場を知っていると、質問されたときに“生きた回答”ができる。
会計士と話すときも、経営陣と話すときも、説得力が違ってきます。

実は私は、会計士にはなれませんでした。
でも最近、ひとつの答えに気づきました。

会計士は会計基準の専門家。
経理は会社の実態の専門家。

だったら私は、
会社のことを誰よりも詳しくなることで価値を出せばいい
そう思うようになりました。

会計士が知らない現場の事情を伝える。
経営者が気づけないリスクや兆候を数字と照らして報告する。
その橋渡しができる経理になることが、私の“期待値+1”です。


【まとめ】

経理は“数字を作る仕事”と思われがちですが、
本質はもっと広いと感じています。

  • 正しい数字を作る

  • 数字の背景を理解する

  • 現場を知り、現実と数字をつなぐ

  • 経営の判断に寄与する

ここまで踏み込めたとき、
初めて「経理としての価値」が生まれます。

私は社会人として10年遅いスタートでした。
だからこそ、誰よりも熱量を持って積み上げてきました。

“期待値+1”の働き方は、特別な才能が必要なわけではありません。
ただ、数字の裏側に目を向け、現場と向き合うだけです。

これからも私は、会社の専門家として成長し続けたい。
そして同じように悩む誰かに、
「遅く始めても積み上げれば必ず届く」
と伝え続けていきたいと思っています。