私は、28歳までフリーターとして働いていました。
社会人経験もなく、就活もしたことがありませんでした。
そんな私が31歳で本社の経理に異動したとき、
胸の中には“歓迎されていないかもしれない不安”が常にありました。
右も左も分からない。
Excelも満足に使えない。
年下の社員に教わるしかない。
唯一の武器は簿記1級でしたが、
その資格さえも異動してすぐに揺らぎました。
異動して間もないころ、先輩社員にこう言われました。
「簿記1級なんて、実務じゃほとんど使わないよ。」
その言葉は胸に刺さりました。
努力して取った資格を軽く否定されたような気がしました。
でも、あの瞬間から私は考え方を変えました。
“知識だけで勝負するのはやめよう。
自分にしかできない戦い方を探そう。”
これが、30代未経験の私が
経理として評価されていく最初の一歩でした。
知識だけではなかった──未経験30代が評価されるために必要だったもの
経理として働き始めたころ、
私は愕然としました。
簿記1級の知識は確かに役立つのですが、
非上場の中小企業では、それ以上の知識はほとんど使わない。
仕訳や月次の流れを理解していれば十分。
それよりも重要なのは、
**「会社の構造を理解しているか」**でした。
私は現場あがりでした。
多くの社員と働き、
お客さんの反応を目の前で見てきました。
その経験が、数字を見るときの“背景”として必ず役に立ちました。
数字が良くても、
現場は疲弊していることがある。
数字が悪くても、
現場では改善に向けて前向きな動きが起きていることもある。
その「現場の温度」が分かるのは、
現場を知っている人間だけだと思いました。
そして経営は、毎月の数字を見たあと必ずこう求めました。
「この数字の裏側では何が起きているんだ?」
「要因と今後を教えてほしい。」
数字だけでなく、
“気づき”と“違和感”を求められていたのです。
そこで初めて理解しました。
経理の仕事は数字を揃えるだけではない。
数字の意味を、経営者の言葉で説明するのが経理だ。
未経験でも、ここができれば評価される。
そう確信しました。
現場あがりの私が評価された“差別化ポイント”とは何だったのか?
私は知識で勝負できる立場ではありませんでした。
だからこそ、別の角度から勝負しました。
一番の武器は、
**“現場の温度感を理解していたこと”**です。
現場の人たちがどんな気持ちで働いているのか。
どんなことにつまずきやすいのか。
お客さんは何を求めているのか。
それらを理解しているからこそ、
数字を見たときに違和感がすぐに浮かんできました。
さらに、私は他の社員よりも圧倒的にフットワークが軽かったと思います。
役員の送迎をしたり、
必要であれば客先に同行したり、
他部署の雑務も引き受けたり、
頼まれ事には全部応えてきました。
誰よりも動くことで、
数字では見えない“現場と経営のギャップ”を理解できたのです。
また、役員の送迎中には雑談をしながら
経営層がどんな視点で会社を見ているのか、
何を大切にしているのかも自然と学べました。
その経験は、私の仕事の質を大きく変えました。
あるときから私は、
経営層が求めているものを理解し、
“期待+1”の成果を返すことを意識しました。
資料1つ作るときでも、
ただ数字を並べるのではなく、
- なぜこの数字になったのか
- どんな動きがあったのか
- 今後どう変化しそうか
そこまで踏み込んで提出しました。
すると、
「分かりやすい」「助かる」
と言われるようになり、
私の評価は少しずつ上がっていきました。
評価される経理は“視座”が違う──未来を見る力が価値になる
未経験で知識が足りない自分が勝てた理由は、
最後はこれに尽きると思います。
“どこを見て働くか”
視座が高い人は、
未経験でも必ず評価されます。
逆に視座が低いと、
いくら知識があっても評価されません。
私は常にこう思っていました。
- 現場の人たちへの敬意を忘れない
- 経営層は何を考えているのか
- 数字の未来をどう読み解くか
- 自分の役割は何か
- どうすれば期待以上の成果になるか
この意識だけは、
どの社員よりも持っていた自信があります。
そして今、上場企業で働くようになって改めて思います。
30代未経験でも評価される人は、
“知識より視座”を大切にしている。
未経験だからこそ、
視野を広げられるチャンスがある。
未経験だからこそ、
現場の気持ちを理解しやすい。
未経験だからこそ、
伸びしろを武器にできる。
私はそう信じて働いてきました。
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未経験で経理に挑戦したいと思っている方は、
まず「どこを見て働くか」を意識することが大切です。
次の記事では、
“未経験30代がどのようにステップアップし、
キャリアを広げていったのか” を詳しく書いています。
あなたのキャリアの選択肢が、
必ず広がるはずです。
