挫折のあとに再起を考え始めると、
「できるだけ早く取り戻したい」という気持ちが強くなります。
失った時間。
遅れている感覚。
周回遅れだという焦り。
それらを一気に埋めたくなるのは、自然な反応だと思います。
この記事では、
再起の途中で「一発逆転」という考え方に引き寄せられたとき、
なぜそれが再起を続けるうえで地雷になりやすいのかを整理します。
28歳までフリーターで、学歴も職歴もなく、
一発逆転を狙って会計士試験に挑み、挫折した私自身の経験をもとに、
再起がなぜロングゲームになるのかを書いています。
一発逆転を否定する記事ではありません。
挑戦をやめろという話でもありません。
再起を途中で終わらせないための考え方として、
何か一つ持ち帰ってもらえたら幸いです。
目 次
一発逆転思考は、追い詰められたときほど現れる
28歳の頃、私は何も持っていませんでした。
学歴もない。
正社員経験もない。
社会人としての実績もない。
普通に積み上げていったら、
同年代に追いつくまで何年かかるのか分からない。
その不安が、常に頭の中にありました。
だから当時の私は、
「一気に形勢を変えられるもの」を探していました。
その延長線上にあったのが、会計士試験です。
努力すれば報われる。
受かれば評価が一気に変わる。
ここで勝てば、全部ひっくり返せる。
今振り返れば、
試験そのものではなく、
そこに「一発逆転」を背負わせていたのだと思います。
一発逆転は、再起と相性が悪い
一発逆転の構造は、とてもシンプルです。
成功すれば、すべてが報われる。
失敗すれば、すべてが否定される。
この振れ幅の大きさが、
再起と致命的に相性が悪い。
再起は、
結果が出ない期間を含みます。
評価されない時間を含みます。
進んでいる実感がないまま続く時期を含みます。
ロングゲームです。
そこに、
「勝つか、終わるか」
という短距離の勝敗基準を持ち込むと、
途中で耐えられなくなります。
28歳の私は、一発逆転に賭けて挫折した
会計士試験に落ちたとき、
ダメージが大きかった理由は、
単に不合格だったからではありません。
「これがダメなら、もう何も残らない」
そう思い込んでいたからです。
一発逆転に賭けていた分、
失敗した瞬間に、
今までかけた人生そのものが否定された感覚になりました。
時間だけでなく、
自信も、判断力も、
次に進む気力も削られました。
未来が遠のいたというより、
一度止まってしまった。
その感覚のほうが近いです。
挫折して分かった、一発逆転の代償
一発逆転は、
成功したときの見返りが大きい代わりに、
失敗したときの代償も大きい。
再起の途中で必要なのは、
「当たれば大きい選択」ではありません。
外れても、
次に進める設計です。
再起を続けるには、
失敗しても立ち直れる余白が必要でした。
再起は「勝つこと」ではなく「振り落とされないこと」
会計士試験に挫折したあと、
私は一発逆転を狙うのをやめました。
代わりにやったのは、
振り落とされない選択を続けることでした。
アルバイト。
契約社員。
正社員。
本社異動。
そして転職。
どこにも、劇的な逆転はありません。
ただ、
辞めずに続けた。
逃げずに向き合った。
立場が変わっても、再起をやめなかった。
それだけです。
結果として、
時間はかかりましたが、
前に進み続けていました。
38歳になった今、ロングゲームだったと分かる
38歳になった今、
ようやく地続きで振り返れるようになりました。
当時は遠回りにしか見えなかった時間が、
今は一本の線としてつながっています。
もしあの頃、
一発逆転に賭け続けていたら、
今ここにはいないと思います。
まだ手探りです。
まだ不安もあります。
それでも、
振り落とされずにここまで来た。
それが、再起だったのだと思っています。
一発逆転を捨てることは、諦めではない
一発逆転を狙わないという選択は、
挑戦をやめることではありません。
再起を長く続けるための判断です。
自分を雑に扱わないための選択です。
今の行動は、
一度の失敗で終わってしまう設計か。
それとも、続けられる設計か。
再起を考えるとき、
その視点を持てるかどうかで、
進み方は大きく変わります。
まとめ
再起には、時間がかかります。
取り戻すには、思っている以上に長い時間が必要です。
一発逆転は、魅力的に見えます。
でも、再起を途中で終わらせやすい考え方でもあります。
再起に必要だったのは、
勝つことではありませんでした。
振り落とされないこと。
やめずに続けること。
ロングゲームとして扱うこと。
38歳になった今、
それだけははっきり分かります。
この文章が、
一発逆転を狙いたくなったとき、
再起を終わらせないための支点になれば幸いです。
