はじまりは、興味本位でした。
中学一年生の頃に『キン肉マン』を読み、
深夜に放送されていたプロレスを何となく見始めたのがきっかけです。
最初は、技が派手で面白いと思っただけでした。
でも、いつの間にか
私の目は「勝つレスラー」ではなく、
試合中何度倒れても立ち上がるレスラー
たとえ負けても、翌日またリングに上がるレスラー
を追うようになっていました。
今振り返ると、
ここに私の「カウント2.9」という生き方の原点がありました。
この記事では、
なぜ私は「勝つこと」よりも
「終わらないこと」に惹かれてきたのか、
その理由を書いていきます。
目 次
私がプロレスに惹かれる理由
私がプロレスを好きなのは、
強いからではありません。
勝ち続けるからでもありません。
スターだからでもありません。
何度負けても、
何度倒れても、
それでも立ち上がってリングに上がり続けるからです。
プロレスでは、3カウントが入った瞬間に試合は終わります。
2.9カウントとは、負けが確定する直前、ほんの一瞬だけ残された「まだ終わっていない」状態です。
この「終わりかけているのに、終わっていない」瞬間に、
私は異様なほど心を引きつけられてきました。
勝つ人生を歩いてきたわけではなかった
正直に言うと、
私はずっと「勝つ人生」を歩んできたわけではありません。
28歳までフリーターでした。
社会人経験はゼロ。
就職経験もありません。
資格試験も、失敗続きでした。
人より先行し、
人より能力があって、
人よりうまくやれてきた。
そんな人生ではありません。
むしろその逆です。
遠回りばかりで、
周回遅れで、
失敗ばかりで、
「なんでこんなにうまくいかないんだろう」
そう思う日ばかりでした。
「努力すれば報われる」とは限らない世界
プロレスは、
努力すれば必ず報われる世界ではありません。
身体を大きくして、
限界まで鍛えても、
負けることがあります。
恥をかくこともあります。
評価されないこともあります。
時にはブーイングを浴びることもあります。
それでも、
「もう一回やる」
「もう一度リングに立つ」
360度すべてがお客さん。
自分の強さも、弱さも、失敗も、
すべてをさらけ出して戦う。
私は、そんな姿に
自分の人生を重ねてきました。
失敗が嫌いで、恥をかくのも怖かった
私は、失敗が嫌いです。
恥をかくのも嫌です。
うまくいかない日は、普通に落ち込みます。
別に、メンタルが強いわけではありません。
実際、資格試験では何度も落ちました。
手応えがあった年に1点が届かずに不合格だったこともあります。
「次こそは」と思って挑んで、
またダメだったとき、
自分が空っぽになったような感覚を、今でも覚えています。
それでも、
一度や二度の失敗で人生が終わるわけじゃないことも、
どこかで分かっていました。
一番怖かったのは「止まること」だった
でもそれ以上に、
私が怖かったのは失敗そのものではありません。
迷って、考えて、
「どうしよう」
「失敗したらどうしよう」
そうやって何も動かないまま時間が過ぎていくことでした。
周回遅れの人間にとって、
止まることは致命傷になります。
止まっている間に、
差は縮まらない。
景色も変わらない。
だから私は、
行動の仕方そのものを組み直しました。
失敗前提で動く、という戦い方
うまくいく前提では、動かない。
失敗する前提で、計画を立てる。
致命傷だけは避ける。
擦り傷は上等。
間違えたら修正する。
ズレたら戻す。
倒れたら、また立つ。
それを、
最初から前提にするようにしました。
これは強がりではありません。
能力がある側の戦い方でもありません。
能力がない側が、それでも前に進むための、現実的な戦略です。
周回遅れだからこそ、一度で勝とうとしない
私は、人より周回遅れです。
だから、
一度の挑戦で勝とうとは思っていません。
強くてニューゲームのように、
何度でも立ち上がって、
何度でも挑戦するしかない。
それしか、選択肢がなかったのです。
でも、
それを「負け」だとは思っていません。
何度でも立ち上がれるなら、
人生は、まだ続けられます。
カウント2.9という生き方
プロレスラーが、
昨日負けたからといって、
今日のリングに立てなくなるわけではありません。
フォール負け寸前でも、
肩を上げれば試合は続きます。
カウント2.9とは、
「もう終わりかもしれない」状況で、
それでも終わっていない状態です。
私は、
自分の人生もそれでいいと思っています。
今も、再起の途中にいる
私は今も、再起の途中です。
完成していません。
自信もありません。
迷いもあります。
それでも、
行動は止めていません。
思考も止めていません。
リングから降りていません。
勝つ人生でなくてもいい。
きれいなキャリアでなくてもいい。
何度倒れても、
それでも立ち上がる人生でいたい。
周りと比べて、
私の一番の強みはここにあると思っています。
それでも、私はリングから降りない
だから私は、
今日もまた挑戦します。
周回遅れなりに。
傷だらけでも。
——それでも、私はリングから降りない。
勝てなくてもいい。
完璧じゃなくてもいい。
2.9で肩を上げ続ける。
それが、私が選んだ生き方です。
