私は28歳まで、清掃の現場でアルバイトとして働いていました。
将来像は描けず、就職活動の経験もなく、
「自分はこのままでいいのだろうか」と不安ばかり抱えていました。
そんな私が最初に踏み出したのは、
28歳で現場の契約社員になる という、小さな決断でした。
待遇は大きく変わらない。
役職も責任も増える。
でも、自分を変えるにはこの選択しかなかった。
そこから私は、現場で汗を流しながら、
“働く人たちの価値観”をまっすぐに見てきました。
扶養内で働くパートさんの本音、
現場を回す責任者の苦労、
本社の指示と現場の現実のギャップ――。
そして、正社員になり、本社に異動し、
最終的に上場企業の経理職へ転職した今、
私ははっきりと言えます。
遠回りだと思っていた現場経験こそ、
経理としての強みをつくった“武器”だった。
この記事では、
現場から積み上げた経験がどうキャリアの価値に変わったのか、
その道のりをお話しします。
【目次】
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遠回りに見えた現場経験が武器に変わった理由
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机の上だけで経理は完結しない──だからこそ現場へ行く
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現場という視点がキャリアの価値を底上げする
1. 遠回りに見えた現場経験が武器に変わった理由
私のスタートは “現場アルバイト” でした。
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扶養内で働くおばさんの本音
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現場の空気感
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人間関係で仕事の効率が変わること
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不平等や理不尽
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働く人の生活背景
こうした“数字には絶対にのらない世界”を、肌で感じてきました。
契約社員になると、現場を回す責任が増え、
正社員になると、会社としての仕組みが見えはじめ、
本社に異動すると、経営層の意思決定を知るようになりました。
立場が変わるたびに、見える景色が変わり、
同じ会社でも「現場」と「本社」では考え方にギャップがあると気づきました。
両方の視点を持てたのは、遠回りしたからこそです。
比較したのではなく、「違いがある」と自然に理解できました。
そして私は、こう感じるようになりました。
机の上で数字を見るだけでは、会社の本当の姿は見えない。
現場で働いた経験は、後から大きな意味を持ちました。
2. 机の上だけで経理は完結しない──だからこそ現場へ行く
経理の仕事は、紙の上・Excelの上で完結できます。
数字をまとめ、資料を作り、締め作業をして、報告する。
でも私は、
「数字だけで完結させない経理」になりたい
と思ってきました。
理由はシンプルです。
数字の背景が見えるのは、
現場の中だからです。
私は上場企業に転職して3ヶ月で、工場見学をお願いしました。
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ラインが止まったときの空気
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現場リーダーの表情
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無駄が積み重なるとどう数字に跳ねるのか
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現場特有の“暗黙知”
こうしたことは、資料からは絶対にわかりません。
工場見学のあと、連結の数字の違和感に気づいたり、
資料上のズレが「現場のどこに原因があるのか」
感覚的に掴めるようになりました。
これは、現場出身だからこそ得られた視点です。
また、異動後にこう感じました。
同僚がずっとテレワークで、現場を見に行かない。
なんでだろう?現場を見ればもっと気づきがあるのに。
数字は事実です。
しかし、数字は“すべて”ではありません。
数字の背景を理解して、初めて判断の質が上がります。
私は今でも、
経理は現場に足を運ぶことで完成する
と思っていて、意識して現場に行くようにしています。
3. 現場という視点がキャリアの価値を底上げする
簿記1級やExcel、決算経験、連結、開示――
経理として大事なスキルはいくつもあります。
でも多くの人が持っていない“差別化ポイント”があります。
それが 現場視点 です。
現場を知っていると:
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数字の背景を説明できる
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経営層の判断に厚みを持たせられる
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部門間の橋渡しができる
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現場の人の気持ちがわかる
-「なぜこうなるのか」を構造的に理解できる
資格や実務経験だけでは届かない価値を提供できます。
私は遠回りしたからこそ、
この視点を自然に持てるようになりました。
現場を経験した自分だからこそ、磨けた武器でした。
【まとめ】
私は28歳フリーターから、
現場アルバイト → 契約社員 → 正社員 → 本社異動 → 上場経理 と
時間をかけて積み上げてきました。
最短ルートではありません。
泥臭くて、不器用で、時間のかかる道のりでした。
でも、遠回りには価値があります。
現場で働いたからこそ、
数字の背景を理解し、
働く人の気持ちに寄り添い、
経理としての視点を深めることができました。
もし今、
「現場からスタートしている自分は遠回りなんじゃないか」
と思っている方がいたら、そうではありません。
現場でしか得られない視点は、必ずキャリアの土台になります。
そしてその経験は、あとで必ず“効いてきます”。